皮膚腫瘍(しこり・できもの)

腫瘍には良性と悪性があります。
良性腫瘍は基本的にその場所で大きくなるだけで身体の他の部位には影響を及ぼしにくいものですが、悪性腫瘍は周りの組織に浸み込んだり遠くの臓器に転移したりして時として命にかかわります。
診断には腫瘍の診察までの経緯(いつからあるか、大きくなったかどうか等)がとても重要です。
皮膚用の拡大鏡や超音波を用いたり、腫瘍の一部や全体を切除して確定診断をつける必要がある場合もあります。

良性腫瘍の代表的な疾患

色素性母斑(ホクロ)、粉瘤(アテローム)、脂肪種、脂漏性角化症、線維腫、稗粒種など

  • 当院で日帰りレーザー治療や手術治療が可能

悪性腫瘍の代表的な疾患

基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、ボーエン病、日光角化症など

  • 当院で診断は可能、病名が確定した場合は大学病院や総合病院に紹介

皮膚腫瘍診療の流れ

診察・検査

診察は予約制ではありませんので診察時間内に受付を行ってください(ネットでの順番予約は可能です)。
皮膚腫瘍の種類によって手術とレーザー治療のうち適切な治療法を選択します。
必要があればダーモスコピーや超音波検査を行います。診察後、小範囲のものはすぐに治療できます。
広範囲のものや手術が必要な場合は予約を取って後日治療を行います。

治療

治療法① 切除手術

  • 皮膚のしわに沿って切開
  • 通常の切開法では難しい場合は皮弁法という特殊な方法や複数回の手術で対応する
  • 形成外科の技法を用い皮膚の下で一度縫ったうえで(真皮縫合)、皮膚表面を 細かく縫う
  • 保険適用
  • 抜糸は縫った糸の跡が残らないように術後5~7日目の早い時期に行います
  • 傷跡ができるだけ残らないように抜糸後約3ヶ月テープを直接傷跡に貼って固定します

治療法② レーザー

  • 皮膚の浅い層にある腫瘍はレーザーでの除去が可能
  • 当院では主に炭酸ガスレーザーを使用
  • 保険適用外

皮膚腫瘍の種類ごとの治療法

皮膚腫瘍一覧

色素性母斑(しきそせいぼはん)

いわゆる”ホクロ”で黒いメラニン色素を持った良性腫瘍です。
体のどこにでもできます。
顔のホクロはほとんどレーザーで取れますが、5mm以上の大きなものや体のホクロは手術で切除します。
色素性母斑の治療については専用ページで詳しく説明します。

粉瘤(アテローム)

皮膚の上皮組織が袋を作り、中に皮脂など老廃物がたまったものです。
体のどの部位にもできて、ゆっくりと大きくなる傾向があります。
超音波検査で深さや大きさを確認する場合もあります。

  • 手術で切除したものは病理検査に提出します。
炎症を起こしていない場合粉瘤全体を局所麻酔下で摘出します。
炎症を起こしている場合抗生物質で炎症をおさえる治療した後に局所麻酔下で摘出します。
腫れが強い場合局所麻酔で皮膚を切開して一旦膿を出す治療を行います。
炎症が治まった後に改めて摘出手術を行います。

粉瘤(アテローム)の手術

  • 保険適用
通院術後抜糸を含めて2~3回程度(経過観察は随時)
抜糸5~7日後
入浴シャワー翌日から可能。入浴は抜糸後から可能
(ただし、部位や大きさによって異なります)
治療費保険適用

手術治療例

考えられるリスク

  • 手術による傷跡は残りますが、手術後半年から1年で目立ちにくくなります

脂肪腫

皮下にできる脂肪組織で柔らかく両面は滑らかなふくらみのある腫瘍です。
体のどこにでもでき背中の脂肪腫はかなり大きくなることもあります。
超音波検査で深さや大きさを確認する場合があります。

ほとんどは局所麻酔での日帰り手術が可能ですが、5cm以上のものは入院施設のある病院を紹介します。
切除したものは病理検査に提出します。

脂肪腫の手術

  • 保険適用
通院術後抜糸を含めて2~3回程度(経過観察は随時)
抜糸5~7日後
入浴シャワー翌日から可能。入浴は抜糸後から可能
(ただし、部位や大きさによって異なります)
治療費保険適用

考えられるリスク

  • 手術による傷跡は残りますが、手術後半年から1年で目立ちにくくなります

黄色腫(おうしょくしゅ)

まぶたにできる黄色のふくらみで、皮膚にコレステロールが沈着してできる黄色の皮膚腫瘍です。
小さいものはレーザーで治療できますが、大きなものは手術で切除します。

黄色腫の治療① レーザー治療

  • 保険適用

レーザーで黄色腫を薄く削り取ります。

治療時間10~20分程度
痛み局所麻酔をして治療
治療後の痛みはすぐ治まる
治療後の処置自宅で1~2週間軟膏を塗る
通院1~2週間後に一度に診察
治療回数大きなものは2回に分けることもあるが、通常は1回で終了
ダウンタイム治療部位が赤く傷の状態になる
2~3週間程度で傷は乾き、傷跡は1~2か月かけて
徐々に目立たなくなっていく
入浴、洗顔いつも通り可能
化粧治療部位の化粧は傷が乾いてから

レーザー治療症例

考えられるリスク

  • レーザーによる色素沈着や軽い凹みなどの跡が生じる場合があります
  • 再発することがあります

黄色腫の治療② 手術

  • 保険適用

局所麻酔の日帰り手術で切除します。
切除したものは病理検査に提出します。

治療時間30分~1時間
痛み局所麻酔で行う
治療後の処置術後7日目に抜糸
通院抜糸まで1~2回程度(経過観察に随時)
治療回数通常1回

考えられるリスク

  • 手術による傷跡は残りますが、手術後半年から1年で目立ちにくくなります
  • 再発することがあります

各治療の比較

レーザー手術
適応小さなもの比較的大きなもの
治療時間10~20分30分~1時間
治療後入浴洗顔はいつも通り可能洗顔は翌日から
入浴は抜糸後から
通院1~2週間後に1回翌日、5~7日目(抜糸)
抜糸1週間後、抜糸1か月後
治療回数1~2回(大きさに応じて)1回
治療費保険適用保険適用

イボ(ゆうぜい)

ウイルス性いぼと、 皮膚の老化によって生じる老人性いぼがあります。
多くの場合、レーザーで治療が可能です。

悪性皮膚腫瘍

有棘細胞癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫などがあります。
一般的に腫瘍の表面が汚く、短時間で大きくなるのが特徴です。
悪性が疑われる場合は一部を取って病理検査に提出します。
悪性腫瘍が確定した場合は適切な病院に紹介します。

  • 保険適用

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