乳房再建

乳房再建のイメージ写真

乳房再建術は、乳がんの手術で失った乳房を作り直す手術です(保険適用)。

シリコンインプラント(人工物)を用いる方法や、自分の組織(自家組織)を用いる場合がありますが、当院では主に前者による乳房再建手術を実施しています。自家組織による再建術が望ましいと判断される場合は大学病院等へご紹介いたします。

インプラントによる再建術は、通常はまず胸に組織拡張器(エキスパンダー)と言われる生理食塩水バックをいれ、だんだん膨らませてからシリコンインプラントと入れ替える2回法(二期再建)で行われること多いですが、当院での再建手術は、原則的に組織拡張期を使用しない1回法(一期再建)で行い入院は不要です
1回法の施行には専門的な経験・知識・技術が要求されます。

乳房温存手術後の乳房の変形などもご相談ください(保険適用外)。

  • 保険適用(乳房温存術後は保険適応外)
  • 乳房温存術後の修正は保険適応外

インプラントによる再建手術の特徴

  • 厚労省の承認を受けた安全性
  • 体に合った(希望のサイズの)インプラントを選択できる
  • 形が崩れにくい
  • 体の他の部分に傷をつくらない
  • 術後の回復が早い
  • 抜去、入れ替えが比較的容易

使用するインプラント

  • 保険適用

日本厚生労働省の認可を取得した製品のみ使用。
形は丸いのもの(ラウンド)としずく型(アナトミカル)のものがあり、表面はつるつるしたスムースタイプと少しざらざらしたマイクロテクスチャードタイプがあります。

診療の流れ

「手術当日、限度額認定証」をお持ちの方は受付時にご提示ください。

症例写真

乳房再建前の写真
乳房再建前
乳房再建後(乳輪・乳頭再建も実施)

乳房再建(1回法 保険適用)、乳頭再建(移植法 保険適用)、乳輪再建(パラメディカルアートメイク 保険適用外¥33,000)

手術費用

3割負担で片側約10万円(保険証の負担割合や手術内容によって異なります)。

高額医療制度の利用でお支払いが自己負担限度額までになります

事前に「限度額適用認定証」を入手しておくと窓口での支払いが自己負担限度額までで済みます。
(一般所得者の場合、自己負担額は約8万円)申請は加入している公的医療保険にお問い合わせください。

考えられるリスク

  • 感染や異物反応(3~6%)が起きた場合は、一旦インプラントをを抜き、一定期間を空けて再度再建することが可能です
  • 被膜拘縮を起こしにくいインプラントを使用しますが、術後の定期的な検診でこれが疑われた場合は、適切な対処法を行います
  • 破損のリスクが年に1%程あります
    破損してもすぐに健康被害を生じることはありませんが、そのまま放っておくとシリコンの中身が外に出て硬くなってしまうことがあるので当院では年に1度、定期検査を行います
  • インプラント挿入後に悪性リンパ腫(BIA-ALCL)が発生するとの報告があります
    もともと非常に稀な発生率で比較的予後の良いものですが、当院では必ず年に1回定期検査を行います

再建後の胸にこちらの施術も可能です

Drからのコメント

河田健吾医師

乳がんは早期からがん細胞が血管やリンパ管を辿って全身に回っており、適切な全身治療が行われるならお胸を大きく取っても小さくとっても生存率が変わらないことが明らかになりました(フィッシャーの理論)。現在、乳がんの手術は根治性を損なわない整容性の追求に変わりつつあります。

しかしながら、まだ乳房再建は日本で完全に普及しているとは言えず、十分な説明のないまま全摘術をされた方も多くおられます。理由には外科医が忙しくて再建の案内ができない、手術枠の問題(再建術をすると+αの時間がかかるので、可能な手術件数が限られてしまう)、形成外科医の不足等があります。 乳房再建はいつでも(再建したいときがする時)、だれでも(年齢に関係なく)可能です。生活の質やその後の人生を踏まえてご一考ください。

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